
【住SUMIKO高】祝★卒業「感謝」と「好奇心」を忘れずに!!
令和6年度住田高校卒業式 17名巣立つ
3年A組の黒板

まだ、だれもいない朝の教室。
黒板には、担任の先生が前日に描いた卒業メッセージがありました。
今年度の始業式の日にも同じようにこの教室にはメッセージが書かれていました。

あたたかな日差しが降り注ぐ3月1日の住田。
17名の生徒が住田高校を巣立ちました。
当日の様子を写真で振り返ります。
生徒昇降口はサクラと担任の先生の似顔絵が・・・。



3年生最後の朝のホームルーム


たくさんのお祝いの言葉 ありがとうございます!!!

私たちが会場までご案内します!

9:57 卒業生入場





卒業証書授与

三カ年皆勤賞
当たり前をやり続けることが一番難しい


式 辞
はじめに、このたびの火災により被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。また、災害対応にご尽力くださっている方々への感謝とともに、一日も早く安心して過ごせる日が来ますよう、心よりお祈り申し上げます。東日本大震災から十四年、人は微力でも無力ではないことを私たちは証明してきました。今ここに、改めて一人一人が被災者を思い、自分のできる支援を考え行動することを誓いたいと思います。
さて、本日住田高校では、幸いにも、神田町長様を始め、多数のご来賓の方々、ご家族の皆様方のご臨席賜り、令和六年度卒業式を挙行することができました。心より感謝申し上げます。あらためて、十七名の卒業生のみなさん改めて「ご卒業おめでとうございます。」
今日この日を迎えることができたのは、ご家族の温かい愛情と、地域の方々のご支援、先生たちの熱い思い、後輩たちの信頼があったからだということを忘れないでください。
新しい世界に羽ばたいてゆくみなさんに、ある物語の主人公を紹介します。今から百年以上も前、カナダに、ある小学校の先生がいました。
『赤毛のアン』という小説の作者ルーシー・モード・モンゴメリーという女性です。世界で最もよく読まれた児童文学と言われます。みなさんにも是非手に取ってほしい本の一冊です。この作品で有名なのは、主人公アンの子ども時代を描いた部分ですが、私が好きなのは主人公アンが小学校の先生になったころを描いた場面です。その部分にこんなくだりがあります。
「私は曲がり角のある道が大好き。次の角を曲がったらどんな景色があるのか、いったいどんな人と出会うのか、どんな思いがけない出来事が待っているのか、考えるだけでワクワクするの。」
人間は先が見えないことに不安を感じる生き物です。しかし主人公アンは、あえて見えないもの、わからないもの、これから出会う人への期待を語ります。
今「先の見えない社会」という言葉がよく使われます。当たり前の風景が一変することも人生の中で何度もあると思います。それでもどうか立ち止まっても、休んでも構いません。前に進み続けてください。
いつの時代も先は見えなかったはずです。恐れるのではなく、その見えない未来に対し自分ができることを一つ一つ成し遂げてほしいと思います。そのために、皆さんには次の二つを約束して、これからの新しい生活に挑んでほしいと思います。
一つ目は「素直に学び続ける」ということです。何でも、知ったかぶりせずに素直な気持ちで他の人に耳を傾けてください。大工さんに会ったら木のことを、農家さんに出会ったら作物のことを、苦しんでいる人がいたらその苦しみを素直に聞いてください。道を極める努力、前に進む努力をしている人は必ず答えをくれるはずです。そのほうが、批判をしたり、自慢したりするより、ずっと世界が広がります。そして何より、その場が楽しく、和やかな場になると思うのです。
二つ目は「許す勇気を持つ」ということです。
「弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは、強さの証である。」とインド独立の父マハトマ・ガンジーは説いています。感情や怒りに支配されずに相手を許すことは、自分の過去の傷を手放し、これ以上苦しむのをやめようと決意することです。結果として自分が楽になります。そして、優しくなれます。
よく優しさは木にたとえられます。木は成長するとやがて林となり、更に森となってすべての命の源となります。是非、優しさの木をたくさん心に植え、宇宙にただ一人のあなた方の大切な「人生」を豊かな森へと育ててほしいと願っています。
「素直に学び続ける」
「許す勇気を持つ」
これら二つの言葉とともに、卒業生の未来に幸多かれと祈りつつ式辞といたします。
令和七年三月一日 岩手県立住田高等学校校長 伊藤 治子





送 辞
教室の窓から差し込む日差しに、春の気配を感じる季節となりました。
今日という佳き日に、卒業される三年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。在校生一同、心よりお祝い申し上げます。
先輩方は住田高校で、どのような三年間をお過ごしになられましたでしょうか。入学して以来、地域創造学等を通して、様々な場で、様々な方々と出会い、学びや発見、そして数多くの思い出ができたことと存じます。
私たち在校生は、先輩方が様々な活動で切磋琢磨しながら一生懸命に取り組まれるお姿を拝見して、たくさんのことを学びました。クラスマッチではそれぞれの能力を活かす
「自主性」、そして「団結力」について気づかせてくださいました。また、三年生にとって最後となる住高祭では、「メイク・スマイリング・ブルーム」のテーマのもと、地域創造学展やダンスなど、自分達の個性を存分に表現しておられるのを拝見して、改めて「表現力」の大切さを感じました。先輩方と過ごした時間はかけがえのない宝物です。
これからも、先輩方から学んだことを忘れず、より良い住田高校を作っていくために、互いに刺激し合いながら精進してまいりたいと存じます。
本日、卒業の日を迎えられた先輩方は、人生の新たな一歩を踏み出そうとしていらっしゃいます。これから進む道はそれぞれ違い、時に険しい困難が立ちはだかり、挫けそうになることもあるでしょう。そんなときはこの三年間で培った「自主性」や「表現力」を活かし、立ちはだかる壁を乗り越えて、豊かな人生に繋げていくと私たちは信じています。
最後になりましたが、卒業生の皆様のご健康とますますのご活躍をお祈り申し上げ、送辞といたします。
令和七年三月一日 在校生代表 紺野 爽介

答 辞
住田の森に吹く風にも春の薫りが漂う季節となりました。本日は来賓の方々、校長先生を始めとする諸先生方、並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、このように厳粛な式典を挙行していただき、卒業生一同心より感謝申し上げます。
住田高校で過ごした三年間は、振り返ってみるとあっという間で、たくさんの喜怒哀楽の感情がよみがえります。一年生では、コロナ禍で制限がまだある中、クラスマッチや住高祭などの行事で、高校で出会った友達と思い出を作ることができました。
二年生になり、新型コロナが五類に移行され、普通の日常を徐々に取り戻せるようになりました。この年に行った関西方面への修学旅行では、それまではマスクの下でどこか窮屈そうにしていたクラスのみんなの、はじけるような笑顔や普段は知らなかった一面を見ることができて、とてもほっとしたような嬉しい気持ちになりました。
最高学年になり、入学以来、私たちが住田高校の学びの柱として取り組んできた「地域創造学」の活動はまとめの時期になりました。それぞれのラストアクションでは、地域の方々とより積極的に関わり合いながら探究活動に取り組み、九月には活動の集大成となる「文部科学省研究開発学校指定最終年次学校公開研究会」が開催されました。住田町役場を会場にして行った発表やポスターセッションでは、お世話になった地域の方々だけではなく、県内外から足を運んでくださった方からたくさんのお褒めの言葉をいただきました。また、先月には同窓会長さんのご尽力により、京都大学で住田高校と「地域創造学」を紹介する機会も得ることができました。
三年間の「地域創造学」の活動を通して、さまざまな世代や職業・役割の方々と接する機会が増えたことで、コミュニケーションを取ることや人前で話すことに自信を持つことができ、自分の成長を実感しています。「地域創造学」で学んだことをきっかけに、将来、自分がやりたいことを見つけることができたという人も多いと思います。
住田高校で過ごした三年間、仲間とともに自分の夢や目標に向かって挑戦し、失敗や挫折もありましたが、それ以上に成長やたくさんの気づきがありました。ここまでの道のりには、先生方やコーディネーターの方々、地域の方々、そして家族の支えがありました。日々の勉強や進路について悩んだ時にも、家族からの温かくも心強い応援が背中を押してくれました。そのおかげで、目の前のことを一つずつ乗り越えることができ、今の私たちがあると思います。
これから社会に出て行く私たちは、今まで以上に乗り越えなければいけない大きな壁があることでしょう。その時、私は住田高校で学んだことをきっと思い出します。それは「困ったときは一人で考え込まず、誰かに相談すること」です。住田高校は小規模校ですが、その分、親身になってくれる仲間や先生方がいつも寄り添い助けてくれました。今まで皆さんからいただいた優しさや思いを忘れず、人を信頼することの大切さや感謝の心を胸に刻み、どんなことも乗り越えていきたいと思います。
最後になりましたが、本日ご臨席を賜りました皆様のご健康とご多幸とともに、愛する母校のより一層の発展をお祈りし、答辞といたします。
令和七年三月一日
岩手県立住田高等学校 令和六年度卒業生代表 及川 桃花

卒業生!退場



最後のホームルーム

高校という小さな社会から大海のような新たな社会へ羽ばたいた君たちへ
先生や周囲の大人達から見守られ、一定のルールの中で、集団生活を送る「学校」という場所から、自分で考え、決断していく「大きな社会」へ一歩踏み出した卒業生の皆さん。本当におめでとう!
住田高校は卒業生にとってそれぞれが帰る家であり、故郷のような場所でありたいと思います。是非、ゴールデンウィークや夏休みに成長した姿を見せに学校に立ち寄ってください。