【地域創造学】みっさいな みっさいな
毎年住田町世田米地区では、1月24日に“水しぎ”祭りが行われています。乞食に扮して仮装した一団が、人々の安全と幸せを願い、斗缶を打ち鳴らし、歌って踊りながら練り歩きます。いつもは学校で仮装した一団をお迎えしているだけでしたが今年は住高も参加しました。地域創造学で培ってきた社会的実践力を試す場です!!頑張れ住高火防レンジャー!!
生徒が持っていた数え歌「大黒舞」の歌詞が面白いのでご紹介します。
冬の風物詩 世田米町の“水しぎ”祭り
見っさいな、見っさいな
見っさいな、見っさいな
御大黒というひとは、
一に、俵を踏んまえて
二に、にっこり笑って
三で、盃求めて
四で、四方いいように
五つ、泉が涌くように
六つ、無常息災に
七つ、何事ないように
八つ、屋敷を平めて
九つ、心をおさめて
十で、宝をおさめて
大黒舞もこれまでよ
はあ、見っさいな、見っさいな
見っさいな、見っさいな
初挑戦!!!最強の乞食を目指します
水しぎのはじまり
世田米(せたまい)は山の中の宿場町として栄えた場所です。冬になると山から吹き降ろす強風で一度火事が起こると町全体が灰と化したと言われています。そんな火事を未然に防いだ言い伝えが、この水しぎのはじまりです。
冬の寒い夜、宿の軒先で寝ていた乞食が、焦げ臭い匂いで目を覚まします。
起きてみると一軒の家から火が出ています。
乞食はこりゃ大変だと思い、大声で叫びますが山から吹き下ろす強い風で声はかき消されてしまい、町の人はだれも起きてきません。
そこで男は枕にしていた穴の空いた鍋を持ち、落ちていた木で鍋を思い切りたたきながら
「みっさいなー みっさいなー 火事だー」と町中を触れ回りました。
この音に気づいた人々は次々に起きて大火を免れました。
それ以来 この乞食を町の英雄として水しぎ祭りというかたちで語り継いで来ました。
家庭科の調理実習中にお邪魔します
一度この伝統行事が途切れた時期があったそうです。それを1975年にその地区の消防団が復活させました。しかしまた最近、参加者が少なくなり、周り歩く場所も限定しなけれなならない状況になりつつあるとのこと!そこで今回!魅力化サポーターの奈良さんからお声がけ頂き、高校生の参加が実現しました。
町を仮装して賑やかに踊ったり歌ったり練り歩く行為は世界共通な気がします。そこに住む人の健康や幸せを願う行事も世界共通です。これらお祭りなどの地域行事や伝統芸能を継承するためには時間も労力も必要です。しかしながら受け継がれてきたのはそこに大切な意義があるからです。その意義をを掘り下げて学ぶことも地域創造に繋がる大切なことだと思います。
体験することで見えてくる自分や地域を大切にこれからも住高のスーパーヒーロー達よ!次の活躍も見せでけっさいな!期待しているぞ!!